決算シーズンとは?Q1決算の見方と歩き方を初心者向けに解説

決算教室

7月末から8月にかけて、経済ニュースが一気に「決算」だらけになる時期があります。決算シーズンです。

決算教室で4社の決算を読んできた皆さんに、次の実践の場がやってきます。この記事では、決算シーズンとは何か、第1四半期(Q1)決算はどこを見ればいいか、そしてシーズン中の情報との付き合い方を整理します。

この記事を読むと分かること

  • 決算シーズンはいつ来るのか(年4回のリズム)
  • 気になる会社の発表日の調べ方
  • Q1決算で見る3つのポイント(進捗率の使い方)
  • 決算発表と株価の付き合い方

決算シーズンとは?——年4回やってくる

上場企業は、四半期ごとに業績を開示します。なお、以前あった金融商品取引法上の「四半期報告書」は廃止され、現在は四半期決算短信を中心に四半期の業績を確認する形になっています。初心者はまず、各社の決算短信を見るところから始めればOKです。

日本では3月期決算(4月始まり・3月締め)の会社が多いため、発表時期が集中して「シーズン」になります。

決算の種類対象期間3月期企業の発表目安
第1四半期(Q1)4〜6月7月下旬〜8月中旬
第2四半期(中間)4〜9月10月下旬〜11月中旬
第3四半期(Q3)4〜12月1月下旬〜2月中旬
本決算(通期)4〜3月4月下旬〜5月中旬
※日本では3月期企業が多いためこのリズムが目立ちますが、12月期・2月期など決算月が違う会社もあります。

もうすぐQ1シーズン。決算教室で読んだ4社の“今期最初の答え合わせ”が始まるよ。

決算教室①〜④で読んだ4社の決算は、5月の「本決算」シーズンのもの。そして間もなく始まるのが、今期最初の答え合わせ=Q1決算です。特に7月末〜8月上旬は、多くの企業の発表が重なりやすい時期です。

気になる会社の発表日はどう調べる?

発表日は会社ごとに違います。調べ方は主に3つ。

調べる場所向いている人特徴
企業のIRページその会社を追いたい人IRカレンダー・決算発表予定日が見られる
証券会社のアプリ・サイト初心者保有・お気に入り銘柄の予定を見やすい
JPX「決算発表予定日」慣れてきた人決算発表予定の会社一覧を確認できる

気になる会社が2〜3社あるなら、発表日をカレンダーに入れておくのがおすすめ。「ニュースで偶然知る」から「自分で待ち構える」へ——これだけで決算との距離がぐっと縮まります。

Q1決算で見る3つのポイント

Q1決算も、基本は決算短信の3か所チェックと同じです。そのうえで、Q1ならではのポイントが3つあります。

① 進捗率——通期予想に対して、どこまで来たか

Q1決算でいちばん使うのがこれ。通期の会社予想に対して、3か月でどれだけ利益を積んだか(進捗率)です。

進捗率 = Q1の利益 ÷ 通期予想の利益

たとえば、会社が通期の営業利益を1,000億円と予想していて、Q1で250億円を稼いでいれば、進捗率は25%。1年の4分の1だから25%が目安……と思いきや、ここに落とし穴があります。

進捗率=Q1の利益÷通期予想の利益。ただし25%が基準ではなく、例年比で見る。

② 「25%基準」をうのみにしない——季節性を考える

⑮でも触れましたが、業種によって稼ぎやすい季節があります。

  • 夏に稼ぐ会社(飲料・空調など)→ Q1・Q2の進捗が高く出やすい
  • 年末年始や年度末に稼ぐ会社(ゲーム・小売の一部など)→ Q1は低く出やすい

だから、進捗率は「25%を超えたか」より、その会社の例年のQ1と比べてどうかで見るのが正解。「今年のQ1進捗20%」だけでは判断できず、「例年Q1は15%前後の会社が、今年は20%」なら順調——という読み方です。過去のQ1決算は、企業のIRページでさかのぼれます。

進捗率は“25%超えたか”じゃなくて、“その会社の例年のQ1と比べてどうか”。ここが一番の分かれ目!

③ 会社予想の修正があるか——「これから」が動く瞬間

Q1発表と同時に、通期予想の上方修正・下方修正が出ることがあります。⑮で学んだとおり、株価は「実績」より「これから」で動きやすい——だから予想の修正は、実績の数字以上に注目されるポイントです。

修正が出たら、「なぜ修正したのか」(想定為替レートの変更?販売好調?コスト増?)まで決算説明資料で確認しましょう。

なお、会社によっては通期予想を出していない場合や、レンジ(幅)で示している場合もあります。その場合は、進捗率だけでなく、会社の説明資料や前年同期比、セグメント別の動きを確認しましょう。

決算発表と株価の付き合い方——一喜一憂しないために

決算シーズンには、こんな光景が毎日のように起きます。

  • 良い決算なのに株価が下がる(期待とのズレ・織り込み済み)
  • 悪い決算なのに株価が上がる(悪材料出尽くし、事前の予想より軽微だった等)

発表翌日の株価は、決算の良し悪しではなく事前の期待とのズレで動くことが多い——決算教室でも繰り返し見てきました。だから、翌日の株価だけで「良い決算/悪い決算」を判断しないこと。

また、決算発表前後は、好材料・悪材料だけでなく、事前の期待や需給によって株価が大きく動くことがあります。初心者は、決算前後の短期売買を狙うより、まずは発表された数字を読み、次の決算で答え合わせする練習から始めるのがおすすめです。

決算前後は値動きが荒れやすい。短期売買を狙うより、数字を読んで次の決算で答え合わせする練習から。

決算シーズンの歩き方——3つのチェックリスト

全部の会社を追う必要はありません。少数の会社を、四半期ごとに定点観測する——これが一番力がつく方法です。

Q1決算を見る3ステップの図解。ステップ1のシーズン前は気になる会社を2〜3社に絞り発表日をカレンダーに入れ通期予想と前年Q1をメモ、ステップ2の発表当日は決算短信の3か所チェックと進捗率の計算と予想修正の確認、ステップ3の数日後は決算説明資料でなぜを確認し見出しと自分の読みを比較。進捗率25%をうのみにせず例年比で見る、翌日の株価で一喜一憂しないという注意付き

シーズン前チェックリスト

  • ☐ 気になる会社を2〜3社に絞る
  • ☐ 決算発表日を調べてカレンダーに入れる
  • ☐ 通期の会社予想を確認する
  • ☐ 前年Q1の売上・利益・進捗率をメモする
  • ☐ 「何を答え合わせしたいか」を決める

発表当日チェックリスト

  • ☐ 売上・営業利益・純利益を確認(3か所チェック)
  • ☐ 前年同期比を確認
  • ☐ 通期予想に対する進捗率を計算(例年比で見る)
  • ☐ 業績予想の修正があるか確認
  • ☐ セグメント別にどこが伸びたか確認

数日後チェックリスト

  • ☐ 決算説明資料で「なぜ」を確認
  • ☐ ニュースの見出しと自分の読みを比べる
  • ☐ 株価反応を見ても一喜一憂しない
  • ☐ 次のQ2で何を見るかメモする

決算教室4社の「宿題」——Q1で答え合わせ

決算教室で読んだ4社にも、それぞれQ1で確認したい宿題があります。

会社本決算で見えた宿題Q1で見ること
トヨタ関税影響▲1.38兆円・3期連続減益見込み関税影響は想定どおりか
スズキ成長投資の踊り場・中東リスク未織込投資負担と販売成長のバランス
ホンダEV関連損失・黒字転換予想一時費用後の本業利益とCF
日産2期連続赤字・Re:Nissan進行中再建の進捗と利益率の改善

宿題を持って決算を待つと、シーズンが年4回の“お祭り”になる。一緒に答え合わせしよう🦆

つまずきポイント(ここで差がつく)

  • 進捗率25%=順調、とは限らない…季節性。例年比で見る
  • 全部追おうとしない…2〜3社の定点観測が最強の教材
  • 翌日の株価で決算を評価しない…株価は期待とのズレで動く。中身は自分で読む

まとめ

  • 決算シーズンは年4回。次はQ1(7月下旬〜8月中旬)
  • 発表日はIRカレンダー・証券会社アプリ・JPXで調べて、待ち構える
  • Q1は進捗率(例年比で)・予想修正の有無・なぜを見る
  • 株価の反応は「期待とのズレ」。一喜一憂せず、中身を読む

決算シーズンは、勉強してきた人にとっては年4回の“お祭り”です。ニュースに流されるだけだった去年までと、自分の目で読める今年——違いを楽しんでください。

自分でも準備してみよう

気になる会社の決算発表日、過去の業績、進捗率を確認するには、証券会社のアプリや企業情報ページが便利です。決算カレンダー、お気に入り銘柄の通知、決算速報、過去の業績推移などをまとめて見られると、決算シーズンの定点観測がしやすくなります。これからNISAや個別株投資を始める方は、手数料だけでなく、決算情報・スケジュール機能・企業情報の見やすさも基準に証券会社を選んでおくと安心です。

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最終更新日:2026年7月13日

※本記事は投資の基礎知識に関する情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買や売買タイミングを推奨するものではありません。決算発表スケジュール・開示制度の詳細は各社・各取引所の公表情報をご確認ください。株式投資には元本割れのリスクがあります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。

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